ここでは、壮年期男性頭部脱毛症の治療について説明します。治療には、内服薬と外用薬による治療があります。
内服薬では、フィナステリドをご用意しております。男性の場合、テストステロンというホルモンが精巣から分泌されていますが、そのテストステロンはヒゲなど体毛の発毛に関与しており、頭皮においては5αリダクターゼ(タイプ2)という酵素によってジヒドロテストステロンに変化することで脱毛が引き起こされます。フィナステリドはこの酵素の働きを60%以上阻害することが分かっており、その効果によって、脱毛を抑制します。内服方法は1日1回内服します。効果が現れるには6〜12ヶ月かかります。これまでの研究では長く内服すればするほど効果が得られることが分かっており、2年後には無治療群と比べて髪の本数が24%増加したとの報告があります。頭頂部、前頭部、側頭部の薄毛に効果があります。青年〜壮年(18〜41歳)の方が壮年〜初老(41〜60歳)の群よりも効果があります。内服を中止すると、6〜9ヶ月で効果が消失します。
外用薬では、5%ミノキシジル製剤をご用意しております。5%ミノキシジル製剤は、2%配合剤よりも効果があります。ミノキシジルは、毛髪の成長期の延長、休止期の短縮、毛包の発育作用があります。また、頭皮の血流増加作用が推測されています。12ヶ月後にプラセボ群、2%配合剤、5%配合剤で髪の毛の数を比べると、それぞれプラセボ群よりも約3倍、約5倍の毛髪数でした。使用方法は、1日2回、ローション製剤なら1mlを気になる頭皮に指で優しく塗り広げてください。効果は4ヶ月〜8ヶ月程度で出始め、1年から1年半ほどで効果が安定します。そのため、およそ1年程度は治療をすることが推奨されています。
なお、2つの治療を組み合わせた方が有効であることが示されていますので、両方の治療を併用することをお勧めしております。もし、これらの治療に満足できない方や副作用などで治療ができない方には、ダーマペンによる発毛治療をお勧めしております。
【料金】
全て自費診療となります。こちらをご覧ください。
【治療の流れ】
電話でのご予約が必要です。医師の診察後に、治療薬を院内で処方致します。
【治療期間・治療回数】
原則として4週間毎に通院して頂きます。治療期間は概ね半年〜1年程度ですが、治療を止めると悪化するため、個々の状態と目標によって異なります。治療開始半年後には、治療効果の評価を行います。
【リスク・副作用】
フィナステリドでは、前立腺がんなどのマーカーであるPSA値が低下することと、性機能低下(性欲低下、勃起障害、射精障害、精子数減少など)、女性化乳房、精巣痛、うつ病などの副作用が起きる可能性があります。
ミノキシジル外用薬では、皮膚炎(かぶれ、発疹)が起こりやすく、他には、頭痛、めまい、胸痛、動悸、体重増加、むくみなどの副作用が起きる可能性があります。