①病院をこわがらない子供にしたい!
〜保護者立ち会いの治療〜
当院ではお子様のケガの治療をするときに、できるだけ保護者の方にも同席して協力してもらっています。これはお子様ができるだけ安心して治療に臨めるように、また保護者の方にケガの状態や治療の様子を詳しく見てもらって理解して頂きたいという意味があります。
残念ながら時々、ひどく病院をこわがるお子様がいますが、過去に他の医療機関で抑え付けられたり、保護者と引き離されたりしていることが原因と私は考えています。こうした病院嫌いの子供になってしまうと、何か困ったことがあったときに十分な診察や治療を受けられなくなるのではと心配しています。当院ではお子様が病院嫌いにならないように心がけて診療しています。
*血を見るのが苦手な方には無理に同席をお願いしませんので、どうぞご安心ください。
②セルフケアで傷を上手に治す!
〜傷の状態に応じたケア説明書の配布〜
できてしまった傷はできるだけ早くきれいに治したいものです。傷を上手に治すには、実は毎日のセルフケアが大切です。もし何か異変があれば、すぐに気づいて、早めに手当することもできます。そのため、当院では傷の治療後にセルフケアの指導をしています。口頭の説明だけでは分かりづらいので、具体的に傷をどのように扱っていけばよいかを専用の説明書を使って詳しく伝えています。
以下に当院で頻度の高いケガの治療についてご紹介します。ぜひ一度ご覧ください!
料理中に包丁で手をケガする主婦や転んでぶつけてケガをする子供など、いろいろな方が受診してきます。ごく浅い傷であれば、下記の擦り傷と同じ治療でもよいですが、止血が必要な状態の傷では縫合が必要になります。糸を利用して針で縫う一般的な縫合の場合、局所麻酔をしてから縫合しますが、安静にできなければ麻酔も縫合もうまくできません。子供の場合には、恐怖や痛さもあって、じっとできないため、大人にはできるような縫合処置が難しいことがほとんどです。そのため、医療用テープや医療用接着剤を利用した縫合を行うことがあります。これは6歳未満の場合に保険でも認められている治療方法です。傷はきれいに皮膚が接するようにできれば、きちんと治ります。
転んですりむいた、などついついこすって傷を作ってしまうことがあります。擦り傷の場合、血液などの汁が出て、ヒリヒリするような状態になります。泥や土で汚くなっている場合には、感染のリスクやいれずみのように跡が残るため、局所麻酔薬を使ってから、しっかりと洗浄して、まずは汚れを落とす必要があります。汚染がひどいようなら、抗生剤の内服も処方します。出血が多い場合には、止血剤を患部にあてます。汁の量に応じて、被覆剤を選択して貼ります。当院では基本的に、汁が少量であればキズパワーパッド、中等量以上であればモイスキンパッドを使用します。これらの被覆剤は傷にくっつくことが少なく、剥がすときにも傷を痛めるリスクが少ないです。原則として、傷が乾燥せずに適度に潤った環境を作るようにしています。
ついうっかりお湯をこぼしたり、あるいは子供がいたずらをしたりして、やけどで受診する場合があります。当院では、やけどの重症度に応じて治療法を分けています。例えば、赤みがあるくらいであれば、ステロイド外用薬や保湿剤を利用した治療を行います。水疱ができるくらいのやけどの場合、水疱の緊満感での痛みや自然に破裂した後の感染リスクの理由で、水疱をハサミで除去してから、汁(=滲出)を吸着しつつ、適度に湿潤した環境での皮膚の再生を促す治療を行っています。この水疱を切除する場合、特に痛みが出ることはありません。治療開始時は汁がどうしても多くなるため、吸収しながらも傷にくっつかないような工夫をいろいろとしています。被覆剤の選択は擦り傷とほぼ同様ですが、範囲と汁の量によって難しくなります。