知らず知らずのうちに進んでしまう巻き爪。時には肉に食い込んでしまって、赤く腫れたり、時には化膿してしまうこともあります。さらに進行しますと、肉芽(にくげ)と呼ばれる炎症で異常に増殖した組織ができてしまい、出血しやすくもなります。かなり進行しますと、肉芽の切除と爪の部分抜爪を行う必要もあります。
当院ではもともとプレートによる矯正を行ってきましたが、接着剤による貼り付けに時間がかかったり、外れやすかったりすることがあり、成績も良好とは言えませんでした。そのため、マチワイヤと呼ばれる形状記憶のワイヤーによる矯正も導入し、処置の時間は短時間となり、矯正力も向上したと感じています。
マチワイヤでの治療は、爪が先端から2ミリ以上出ていれば、爪に2箇所穴をあけて、その穴にワイヤを通し、穴とワイヤを専用の接着剤で止めます。爪が伸びてきたら、ワイヤーと一緒に爪を切除します。まだ矯正が必要な場合、繰り返して治療を行う必要があります。難点としましては、矯正力が強いため、爪が割れやすくなります。
プレート治療はまったく意味がないわけでもなく、爪が伸びる間はプレートで治療し、爪が伸びたらマチワイヤを行うという方法もあります。
なお、巻き爪による皮膚の炎症がある場合、あるいは爪白癬(白く濁って、厚くなった爪)の場合には、すぐに矯正はせずに、それぞれについて保険治療をまず行うことになります。