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第577回甲府市内科医会に参加して


平成31年2月26日に開催されました甲府市内科医会に参加してきました。第577回というのはすごく歴史がありますね。

 

講師は私がつくば時代にお世話になった浜野淳先生でした。浜野先生は筑波大学を卒業した後、在宅診療所などの院長なども経験し、私たち総合診療グループの後輩の面倒もみてくださっていました。私は浜野先生が忙しい合間を縫って緩和ケアの研究をされていた様子を覚えています。現在は、筑波大学付属病院の緩和ケア外来を担当しながら、同院の医療連携患者相談センターで病院と診療所間の医療連携の仕事をされています。私がつくばを離れてからも何度かお会いすることがありましたが、ここ山梨まで講師としてお会いするのは新鮮で嬉しいことでした。

 

講演内容は、がん患者さんの意思決定でACP(Advanced Care Planning)を用いる話でした。私なりに簡単にACPを説明しますと、患者さんの意思を尊重しつつ、何度も家族などの周囲の人たちも含めて治療やケアの方針を話し合っていくこと、と言えます。この作業は別にがんの患者さんだけではなく、がんではない病気の方の意思決定でも使われて良いことだと思います。

 

ところで、この講演のなかで、スインプロイクという薬の話が出ました。この薬はがんによる痛み対して使用するオピオイド(医療用麻薬)の副作用で生じる便秘を改善する薬で、浜野先生としてもある程度の量のオピオイドの量までは効果がある、とのことでした。オピオイドによる便秘はコントロールが時に難しく、薬の量も多くなりがちですので、1日1回1錠で済むこの薬はありがたいですね。

 

講演後に、久しぶりに大学時代の同期に会えたり、山梨県立中央病院の緩和ケア科の先生方と知り合いになれたりしたのも良い刺激になりました。

 

とかく死について考えることをマイナスに感じて避けたがる雰囲気が強くなっているような時代ですが、逆にどう生きていきたいかを考えるように、ポジティブに捉えてみると、少し感じ方が違ってくるのかもしれませんね。