厚生労働省から風疹ワクチンの無料化についての情報が正式にリリースされていました。https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000210542_00003.html
内容を簡単にまとめますと、
- 対象は1962 年(昭和 37 年)4月2日から 1979 年(昭和 54 年)4月1日までの間に生まれた男性(現在 39 歳から 56 歳の男性)
- 接種期間は2019 年(平成 31 年)から 2021 年度末までの約3年間
- まずは抗体検査をして、陰性だった人が無料の接種対象
- 陰性はIgG抗体価がHI法で8倍未満、EIA法なら4.0未満
- 接種するワクチンの種類はMRワクチン(=麻疹・風疹混合ワクチン)
- 接種回数は1回
- 抗体検査、ワクチン接種の料金は無料
国はとにかく風疹の抗体保有率を上げれば良いと考えているようですが、抗体保有率をあげることと、免疫者を増やして風疹の流行を防ぐのとは話が違うことがわかっていないようです。
しかも、そもそも抗体のみで免疫能を評価することはできないのですが、あえて評価する場合(便宜上使用されている基準)でも、HI法なら32倍以上なければ免疫能があると判断されていません。今回の接種基準では、十分に免疫能がない人が、免疫能があるということになってしまいます。
さらに言えば、MRワクチンの接種回数が1回だけなので、必要な免疫能がつかない恐れがあります。子供の定期接種は2回打ちしていますよね。大人なら1回打ちで免疫能がつくというデータがあるのでしょうか?
全体的に見てとても中途半端で残念です。税金を投入して早く流行を収束させたいなら、検査なんかしないで、対象者が2回MRワクチンを接種すれば良いと思います。